アメリカで妊娠したら使うアプリ。2つの英語版妊娠アプリを使った感想!
アメリカで妊娠・出産予定となったので、英語の勉強にもなると思って、アメリカのアプリを試してみました。
使ったアプリはWhat to expectとBaby Centerの2つ。ダウンロード数が多かったのでとりあえず使ってみました。
日本のアプリはママ日和を使っていました。(感想はこちら)ママ日和はかわいいイラスト主体の内容でしたが、アメリカのアプリはリアルなCGで赤ちゃんの様子を見れたり、動画もあったり、記事も充実していてけっこう実践的な内容だと思います。私が使っている2つのアプリについて感じたことをまとめてみたいと思います。
What to expect
毎週の動画が多い。
記事にアクセスしやすい。
Baby Center
一見シンプルで内容が少なく見えますが、「Tools」内にBirth classの動画があったり、記事が充実している。(しばらく気が付かなかった…)
お腹の写真を撮って記録するGalleryがある(使ってないので分かりかねます)
陣痛の間隔を測定するtoolがある。
赤ちゃんが生まれた後も身長体重を記録するtoolがある。
共通点
新しい週数を迎えると朝8時ごろに通知が来ます。
その時点での赤ちゃんの推定体重や身長、さらに大きさを野菜に例えてくれたりします。
お母さんの体に起きている変化や、赤ちゃんの成長具合についての説明があります。
排卵日予測機能も付いていて、妊活中から使えるようです。
2つとも使ってみて内容を比べてみるのもいいかもしれませんが、
毎週届く動画や記事が充実しているのはWhat to expect
毎週更新される内容は深くはないですが、「Tools」の中の記事やBirth classの動画がかなり豊富なのがBaby centerです。
2020年はコロナの影響もあって対面でのBirth class; 両親学級はありませんでしたが、代わりにオンラインでのクラスを受講しました。100ドル払ったのでしっかり取り組みましたが、テキストを読んだり動画を見るという内容で、質問をやりとりできるものではありませんでした。オンラインで習った内容はほぼアプリでカバーされていたと思うので、無料にもかかわらずかなり優秀なアプリだと思います。
動画の前にはCMが入ったり、赤ちゃんグッズを勧める広告も入るのでそこで元はとっているのでしょう。
妊娠出産に関する内容を英語で知っておくと、アメリカでの数少ない健診でコミュニケーションをとるのにも有効だと思うので、ぜひ使ってみて下さい。
妻が妊娠したら使うアプリ。ママ日和を使った夫の感想。おすすめできます。
ママ日和をインストールしました。
現在妊娠何週かを教えてくれて、ママに言うべき言葉、赤ちゃんの成長具合、ママの健康状態について教えてくれます。
色々アプリが出ているようですが、妻が見つけてきて、インストールするよう言われました。他のアプリも使ったわけではないので比較はできませんが、結構いいです。
今日の声かけ
中でも役に立ったのが、ママにかけるべき言葉。例えば外出中に「ママ」が(一見、夫を気遣って)「水飲みたくない?」と言うときは、「ママ」が水を飲みたい時である。と教えてくれたことです。これは良く言われることかもしれません。男性は言葉をそのまま受け取りがちですが、女性の言葉にはウラの意味がある。その後、その言葉の奥にあることを考えるようになりました。
他にも、「手伝うよ」「掃除するよ」「食事作るよ」「話聞くよ」など、ママにすごく優しく接するべきと教えてくれます。逆に言うと世の男性はこういったことが出来ていないということを教えてくれています。結構何もしない・出来ない夫がターゲットにされており、そんなことも世の男性はしないのかと思う私は結構できる夫なんじゃないかって思ったりもします。
この時期の赤ちゃんの様子
かわいいイラストの赤ちゃんがほんの少しずつ大きくなっていくのを見るのも実は楽しいです。何気に週数が増えるたびにその赤ちゃんのスクショをとって保存している夫です。アプリを開くと現在の週数の状態を表示していますが、赤ちゃんの状態だけは週数を変更して見ることが出来ます。しばらく知らなかったのですが、実はママ側のアプリの赤ちゃんはまた違ったイラストなので、見せてもらうといいでしょう。
チェック!ママのようす
パパ用に出てくる内容はママ用よりシンプルなようです。赤ちゃんの現在の状態や妊娠中の「ママ」の状態の説明があり、ちょうどいい量で役に立っています。
おすすめできるアプリだ
新しい週数を迎えると通知が来て、週1回の胎児の成長を見るのが楽しみになっています。イラストだけでなく、提供される情報も父親と母親で少し違うようなので、読んだら共有するのがいいと思います。「~~するといいんだねー」と、当然知っているだろうと思って妻に確認しても「えっ、そうなの」と返ってくることもあるので。ただ、文字を十分読んでないだけかもしれませんが…情報としては1回見れば十分ですが、週に2-3回はチェックしてしまいます。このアプリのおかげで赤ちゃんと母親の情報を手軽に得られるのでとてもお勧めです。
アメリカで日帰り手術とジンジャエール【子宮ポリープ切除】
不妊治療を受けるにあたって最初のスクリーニング検査で子宮ポリープが見つかりました。これが(も)原因だったのだろうか。過去に調べたかどうかもあいまいだったので、年齢とともに出てきたのか、いつからあったのか不明ですが、治療を進めるために手術を受けました。
アメリカらしく、やっぱり日帰り手術でした。私は付き添うだけなので妻と比べれば楽なものです。
手術前
集合時間は朝7時。早いです。
受付には数人並んでいました。受付をして広い待合室に座っているとしばらくして、看護師さんが呼びに来ました。手術前の待機室に妻と一緒に向かいました。
そこで、血圧などの測定をして、麻酔科のDr.から説明を受けました。手術の説明自体は外来で既に婦人科のDr.に聞いていました。
その後また別の看護師さんが来て、妻を手術室に連れて行きました。
私は外の待合室へ連れていかれ待っていました。ここは無料でコーヒーも飲めて、ゆっくりできる広い空間になっていました。1時間も経たないぐらいで、主治医の婦人科のDrがやってきて、写真を見せてくれながら無事終わった旨を説明してくれました。
また、しばらくすると看護師さんに呼ばれ、妻の元に合流できました。
手術後
妻は麻酔のせいでうとうとしていましたが、ジンジャエールを飲んでいました。麻酔が醒めていない状態で飲んでいいのかなと思いながらも、看護師さんが用意したはずだし、なんで炭酸なのかなと色々疑問がありました。あまりに気になって、看護師さんに聞いてみたら、飲み物の種類は色々あって、妻がジンジャエールを選んだと教えてくれました。帰り道で妻に聞いてみましたがジンジャエールを頼んだことは覚えていませんでした。普段からそれほど好きな飲み物でもないのに、なぜ選んだのか、不思議でやたらとこのシーンを覚えています。
麻酔から十分に醒めると、帰ってから痛みがあったらTylenol(市販薬のアセトアミノフェン)を飲みなさい、持ってるよね?今日は一日目を離さずついていてあげてください、という説明を受け、帰宅となりました。薬は処方されず、市販薬を買いなさいというのもアメリカならではと思いました。
費用
保険適用で480ドルでした。
この先の予定
さて、これで準備が整ってきました。
通常手術を受けたあとは、(おそらく経験的に傷が治るのを待って)1か月以上空けて、すなわち次の月経周期を待って胚移植をするものだと言われていました。しかし、日本への一時帰国を控えていたので、すぐにできないかと言い続けたら、今回の周期、手術から3週間後に胚移植をすることができました。あまり一般的ではないのかもしれませんが、時間が限られている方の選択肢の一つになると思います。着床もうまくいきました。もちろんDrとの相談が一番ですが、参考になれば幸いです。
アメリカで着床前診断を受けた不妊治療経験者の思うこと、費用などなど
2020年の日本ではまだ臨床研究段階の着床前診断を、アメリカで受けたので、その経験をシェアしたいと思います。詳しく調べれば色々情報が出てくると思いますので、ここでは検査について私の理解した範囲のことと、実際の体験談を綴ります。
着床前診断とは
着床前胚染色体異数性検査(PGT-A: Preimplantation genetic testing for aneuploidy)と呼ばれている。体外受精の際に検査できます。移植をする前に受精卵=胚に染色体異常がないかを調べます。
メリット
事前に正常と分かっている受精卵=胚を使える。もしうまくいかなかった場合、無駄な治療を繰り返さずに済む。
デメリット
ほとんど合併症はないけども、検査で受精卵=胚を傷つける可能性がある。精度は100%ではない。費用が高額。日本では受けられない(2020年現在では対象者を限定しての臨床研究段階)。
出生前診断との違いは?
ややこしいものに出生前診断があります。こちらは妊娠が成立してしばらくしてからお母さんの、採血や羊水を調べて、胎児に異常がないか調べる検査になります。よくある例としては高齢出産の場合です。
着床前診断は妊娠する前の検査、
出生前診断は妊娠した後での検査になります。
検査前確率は?
35歳ぐらいだと、体外受精をしたときの40-60%の染色体異常が見つかるそうです。
手順
卵子と精子が受精して、5-6日培養して胚盤胞と呼ばれるものに育った後に、細胞を一部取ってきて、検査に出します。検査結果を待つことになるので自動的に新鮮胚移植はできず、凍結胚移植を行うことになります。
費用
細胞の一部を取る手技に1500ドル(病院への支払い)
検体の数に応じて遺伝子検査の代金は変わります。5個で1450ドルでした。(検査機関への支払い)
検査会社はIgenomixという所でした。費用の詳細はこちら↓もご参考に。
アメリカの不妊治療(体外受精)でかかった費用 2020年(ニューヨーク州) - 妊活マン ー令和の子作りー
以上の情報を得て私達が考えたこと
最初はこのような検査ができるとは全く想定していませんでした。体外受精の一連の説明の中に出てきて、その場でやらなくていいかなとDr.に答えました。Dr.も特にすすめるわけでもなくその場は終わりました。後から調べてみると、35歳ぐらいだと、体外受精をしたときの40-60%の染色体異常が見つかると分かり、日本ではできないけどアメリカではできるのなら、出来ることはやっておこうと思い、受けることにしました。
治療が保険適用になっていたので、日本であれば支払っていただろう費用を、検査にまわすと考えればいいだろうとも思っていました。
また、アメリカ滞在中はあと1年と考えていたので、できるだけ成功確率の高い方法をとりたかったというのもあります。
こうやって、書いていると「アメリカだから出来る」、「時間が限られている」という今だけ限定!という効果も決断に影響したと思います。
また検査の主目的ではありませんが、事前に性別がわかります。私はなんとなく女の子が、妻は絶対男の子が欲しいと思っていました。性別を生まれてくる前に選ぶとなんだか倫理的にどうなのかなと思い、染色体がOKだった場合は性別よりもグレードを優先するという自分たちのルールを決めておきました。
9個取れた卵子のうち5個まで胚盤胞に育ちました。ただ5日で育ったのが3つ、6日かかったのが2つでした。この5つを検査に出しました。
結果
神妙な表情でDrに伝えられた結果は、5個中、正常は2つだけでした。一般的に知られている40-60%が異常と言われるうちの悪い方の60%が異常という結果でした。
重要なこととして、5日で育った胚=成長が早い胚の3つのうち2つが正常で、6日かかった胚=成長が遅い胚はいずれも異常でした。
成長が早かった3つの胚に、見た目のグレードがいい順に123と番号を付けると、1正常2異常3正常ということになり、2と3の優先順位がひっくり返った事になりました。見た目だけでは判断できないけれども、総合的にみれば相関はありそうです。あくまでただの個人の見解なので、科学的に説明するには多くのデータが必要です。
着床前診断を迷っている方へ、ただの不妊治療患者からが思ったこと
金額が許容できるのであれば、アメリカだと検査するという選択ができてしまうので、迷ってしまいます。もしアメリカで選択する機会を得たら、日本の学会での対象者の要件にあるように、体外受精をしても流産を繰り返してしまう場合に検討すればよいと思います。初回では不要だと思います。よく体外受精が成功する場合は3回までのトライでうまくいくという話がありますが、状態の良い胚から使うと思うので、ある一定数以降、40-60%はそもそも染色体異常があって、うまく行かないのも当然なのでしょう。
私が担当の医者であれば初回の人には上記を説明して、勧めないと思います。うちの主治医からはそんな話はありませんでした。アメリカの医療がそうなのか、こちらが主張すると希望を優先してくれるように思います。ただ、我々の決断が医療者側から見て妥当でない場合も結構あるのではないかと思います。その後妊娠に至ったわけですが、着床前診断をしたのを知ってか知らずか、妊娠初期に出生前診断を受けるかどうかの説明もされました。医師に見解を求めたところあなた達次第ねという、よく言えば患者主体、悪く言えば自己責任という名の放置状態で、自分たちで考えなければなりませんでした。
着床前診断を受けて良かったこと
染色体は正常だと分かっていたので、その後の出生前診断は受けなくてもよいと考えられたこと。もちろん結果は100%じゃないので、その後検査をどうするかは自己責任と言われますが。
もし妊娠が成立しなかった場合でも、最初からうまく行かないとわかっている胚移植を受ける必要がなく、次のステップへ進める。我々の場合5個中2個しか正常じゃなかったので、最初の2回がうまくいかなかった場合3-5回目を移植するのではなく、再度採卵からやり直せる。
受けてからの後悔?
実際細胞をとる所を後からネットで動画を見てしまいました。説明されている通りなのですが、細胞を吸い取っていて、これが本当に後々影響しないのかと心配になりました。データ的にはほぼ問題という話ですが、実際の映像を見るとかなり心配になります。
いのちの選別?産み分け?
ここからは後から文章を書くにあたってあれこれ考えたことなので、今必要ない話と思う方は是非ともスルーして下さい。
こういった検査で上がる議論にいのちの選別になるのではという意見。正常な染色体を選ぶということで、染色体異常があっても妊娠出産に至る子供を排除してもいいのか、分かりやすく言えばダウン症の子を排除していいのかという問題です。よく知られるダウン症(21トリソミー)や生まれても早期に亡くなってしまう13, 18トリソミーは、その他の生まれることもできない染色体異常と比べると軽度の異常ということなのだと気づきました。
多くの流産の原因は染色体異常のようです。妊娠して喜んでいたらしばらくしてから流産してしまった、この場合誰が悪いとかいう話ではなくて、そもそも受精卵が成長するに十分な状態ではなかったということらしいです。我々としては子供を切望してるわけで、出来る事なら早く確実に授かりたいというだけです。ダウン症の方の幸福度はむしろ高いという話も聞きます。それでも、生まれてくる子供の責任を持つのは誰かと考えた時に、そうあって欲しいですが残念ながら社会ではなく、人権を真剣に考えている専門家でもなく、その子の親となる、私達です。治療が上手く行く確率が高い方法を選ぶ=正常な胚を選ぶという事は自然な事だと思います。そもそも体外受精自体は「医療」であって、どこまで許容されるのか難しい問題です
男女の産み分けに関することや、世界各地での男女不平等の指標に男女の出生割合があったりするので、染色体レベルで正常と分かった上での男女の選別という問題もあります。これもなかなか難しい問題だと思います。世界での各社会が親に与えている影響は大きいものだと思います。私はなんとなくそこで性別を自分で選ぶのがいやだったので、予め優先順位を決めておきました。ある意味逃げの選択肢だったかもしれません。結果的に正常な胚盤胞の2つの性別は同じだったので後から悩む必要もありませんでした。
そして正直、検査を受ける段階ではこのようにあれこれ考えた上での決断ではありません。ただ限られた選択肢の中で当時出来るだけ良いと思うことを選んだだけです。
難しいことは、この検査を受ける当事者と、検査を問題視する専門家の見ているところが違う所にあると思います。当事者はただ目の前のこと、専門家はもっと幅広いことを見ています。知らなければよかったこと、知らなくても良いことはたくさんあると思う一方、知らないでは済まされないこともあります。今になってあれこれ思考を巡らせる私みたいのがいる一方、このことに縁なく全く考えることなく過ごす人もいます。考えはまとまりませんが、思いがけず経験者となったのだから傍観者ではいけないと思っています。
なかなか触れにくい話になってしまいましたが、妊娠を希望する方検査を考えている方の参考になれば幸いです。そして日本でもこの検査を必要な人が受けられるよう、臨床研究が進むことを期待しています。
アメリカで不妊治療(体外受精)。排卵誘発~採卵~胚移植、結果判定までをゆっくり振り返ってみた。
あとから振り返ってみると、体外受精のための準備の時期は慌ただしくあっという間に過ぎ去って行きました。全体の流れはこちらにまとめたので読んで頂ければ幸いです。今回はもう少し詳細に振り返ってみたいと思います。
排卵誘発
妻が受けた注射は2種類。Gonal F 225単位とMenopur75単位を2週間毎日注射しました。
これは36歳という年齢のためでしょうか、エストロゲンパッチも子宮内膜を整えるためと言われ、貼っていました。
私の役目は、注射薬の準備と実際の注射。
日本にいたときと違って、仕事が夜遅くまでかかることもないし、飲み会に行く友人もいないので、規則正しい生活が送れています。日本にいたら妻に任せきりになっていたところですが、こういった形で参加をしていました。
低刺激や高刺激などといった方法が色々検索すると出てきますが、自分たちのが何に当てはまるかよく分かってはいませんでした。
注射を始めてしばらくすると、超音波で評価する日々が始まりました。予想より育ちが遅いのか、また明後日来て、を何回言われたのか。
結局エコーは6回行きました。この検査は行くたびに30ドルをcopayとしてとられるので、できれば少ない方がいいですが、高い英会話レッスンと思って、質問もするようにしました。
良かったことはエコーの予約が大体時間通りに進み、いつも朝8時か8時15分の予約で、9時半には病院を出ることができていました。
このクリニックだけでなく、他の内科なども日本のように待合室が込み合っていることはなく、大体予約時間になると呼ばれるのはよかった点でした。ただ、一般の病院に限って言えば、予約がすぐはとれずに、人数もきっちりと制限されているのか、アメリカはだいぶ医療者に優しい仕組みになっているのかなぁと思いました。けっこう日本だと、予約も無理やり詰め込んで、Drも休まず働いてヘトヘトみたいか感じかと思います。
話はそれますが、受付に一人だけ男性がいました。日本だと基本女性ですよね。
一度やたらボロボロの車に乗って通勤してきたところを見ましたが、愛想も仕事っぷりも、よくも悪くもない、まずまずなお兄さんです。髪が青かったり緑だったり(そもそも金髪はナチュラルですからね…)、ピアスやタトゥーがたくさんついてたりする医療関係者、特に受付やナースですね、も、いるのですが、さりげないタトゥーが入ってるだけなのは好印象でした。
でもさすがにDrはタトゥーもしてない印象です。でっかい指輪をしていたり、華やかな格好をしていたりするDrは普通に出会いますが。
採卵
卵胞の大きさが十分育ったところで、排卵を刺激する注射の指導がありました。
注射の翌日にHCGを測って、きちんと投与されているかを確認し、
翌々日に採卵となりました。
採卵は朝7時に病院に到着、当日に麻酔科の先生からも話を聞きました。8時頃から始まって、30分ぐらいで終わって帰ってきました。
9個とれたよとのことでした。
麻酔のせいで妻はうとうとしていましたが30分ほどで覚醒し、10時頃には帰宅しました。
Drからは今日は一日妻についているように指導がありました。(が、やるべき仕事もあって、数時間家を留守にしましたが、大丈夫でした。万が一、念のためには付き添っておくべきだったのでしょうけど)
この採卵の後、胚盤胞まで育つのを待って、9個中5個育って、着床前診断を受けました。
胚盤胞になったのが5日目のが3つ、6日目のが2つでした。
この検査をするときは凍結が必須になるので、新鮮胚移植の選択肢は自然となくなりました。新鮮胚移植は初回しかできなことを考えると、「限定」効果でtryしてみたくなりますが、データは凍結胚移植のほうがいいと出ているので、そこはムダに心配することなく進むことができました。これについては別に、考えたことをまとめたいと思います。
我々の場合、2か月後に一時帰国を考えていたので、それに合わせて予定を調整してもらっていました。子宮ポリープも見つかって手術しなければならなかったのですが、手術の予定は何度も問い合わせることになって、急かすことができたのか、採卵の翌週に受けることができました。相手任せにしていると全然進む気配がなかったので、主張することは大切です。手術についてもまた別にまとめたいと思います。
胚移植
術後は1か月以上開けてから胚移植をするものだと言われていましたが、帰国の前にやってほしいと言い続けたら、手術の2週後にやってもらえることになりました。キズの治り具合とかも結果に影響するかと心配していましたが、幸いなことにうまくいきました。
胚移植当日は、また朝7時と早くに病院に到着、今回は私も妻と一緒に処置室に入室し、一緒にみることができました。
その移植が妻はすごくうれしかったようでしばらく上機嫌でした。
結果判定(採血 HCG)
やたら妻はちゃんと着床したかどうかを気にしてネットの情報を探しまくっていました。人それぞれに「着床した感じ」を皆さんお持ちのようです。体が暖かくなったり、何か夢を見たり。
が、それに振り回されて一喜一憂するのは、必要のないことだと思うのですが。
いろんな「情報」を仕入れて、何を基準にしたのか分かりませんけれども、妻に「最初の2日ぐらいは良かったけど、お腹が痛くなって3日目ぐらいの感じはなんかダメかも」と言われて惑わされたのは私です。この浮き沈みは精神的に良くないですね。個別の体験談・ブログはとても役に立つ情報を教えてくれたり、共感できるところもありますが、あくまで一つの事例として受け取っておくのがいいようです。
とにかく今回の結果は採血で判定されます。胚移植後、5日目の朝採血に行って、昼頃に電話で結果のお知らせがありました。
「Congratulations!」
と言われたようです。
陽性の結果だったよとのラインにうれしくなって仕事を中断して電話をしました。
それでも、これまでのやり取りから、基本あの人たちはいいことしか言わないので、本当にそのデータがあっているか、HCGの値をネットで調べまくってました。
個別のデータと比較することには意味はないかもしれませんが、参考までに数値を載せておくと、85mIU/mL(移植後7日目)-602(10日目)-9580(17日目)でした。
信頼関係は大切ですね。
信じられていたら余計な心配をせずに、余計な時間も使わずにいられたのですが。
どこまで自分で調べて知っておくべきで、どこまでただクリニックを信頼して任せればいいか、難しい所です。
採血を繰り返して、順調に数値が上がっていることを確認し、最終的に心拍の確認ができたら治療は卒業となります。
HCGはあがったけど心拍は確認できなかった、っていう話もちらほら出てくるので、まだ油断はできません。
心拍を確認するためのエコー
そして、胚移植をしてから4週間と3日後に確認のエコーの日が来ました。
モニターに映し出されたのは、ほんの小さな拍動するカタマリでした。
最後に
よく奇跡や神秘なんて言葉が使われますが、
私たちは、今の時代の技術のおかげで、この瞬間を迎えることができて、本当に良かったと思います。
受付のお兄さんに、おれらはもうここには来ないぜ、と別れを告げました。
うまく英語は伝わらなかったので、妊娠したんだと改めて伝えて、笑顔のお兄さんとクリニックをあとにしました。
全体の流れはこちらにまとめたので読んで頂ければ幸いです。
アメリカで精液検査してきた
わざわざ「アメリカ」ってつけましたけど、基本的な内容は日本と変わりません。
基本以外の、日本との違いについて気付いたことをシェアしたいと思います。
日本ですでに精液検査は初体験を済ませてきたので、むしろアメリカっぽいことは何かないかなと思いながら検査を受けました。
基本的には、カップに出して提出する、それだけです。
それ専用の部屋に行って、出すわけですけれども、まず、説明書あった内容で驚いたことが少々ありました。
アメリカの精液検査!
Wifeにassistしてもらう場合の注意点がある
説明書にあった内容です。
・アシストしてもらうとき、wifeはよく手を洗ってね。
・oralでアシストするときは出す直前に、先端をふいてね。
・サイドの刺激は続けてもいいよ。
とのことでした。治療には二人で臨むんだという姿勢を改めて考えさせられました。
私は一人で行きましたけど。
潤滑剤が必要なら教えてね
検査の人に言えば、卵子や精子に安全なものを使わせてくれるようでした。
部屋は日本より広かった
日本の個室はソファとテレビと、洗面台もあったかな、狭い部屋ですけれども、アメリカではさらにトイレも付いていて、日本より広々としていました。特に面白くない情報ですが。二人入るなら広いほうがいいですね。
Noモザイク
その部屋に備え付けの資料ですが、本とDVDがあって、多様な人種がいるアメリカですけれども登場人物は欧米の方で、アジア人はいませんでした。
モザイクはありませんでした。
検査とその後の話
男の出番は少ないので、いい結果がでるように心を込めて全て出しきりました。
時間を記入して、カップを受け付けのお姉さんに提出して、
そのときにトラブルは起こりました。
確かDrからは検査して凍結という話があったのですが、検査担当のお姉さんは凍結の指示はないと言い張ります。こちらも凍結すると言われたと主張したのですが、まだ、その頃は病院を信じていたので担当者に任せることにしました。Drに確認しろってしつこく言えばよかったな
後日結果を聞くときにDrと話しましたが、やはり凍結するはずだったようです。Drは検査担当者が間違ったんだと言って、自分は悪くないという感じでした。
日本でもそうかもしれませんが、医療機関はどこも過ちを簡単に認めたくないようです。ただ、すみませんと言ってくれるだけでいいのに。
ゆえに後日もう一回検査をしてきました。もう慣れたものです。
結果は大丈夫よと言われたぐらいで大して説明はありませんでした。
検査結果は「印刷してくれ」と言わないとくれなかったで、改めて主張することの大切さを学びました。
アメリカだからというわけではなく日本にいてもそうですが、自分たちのことは医療機関にお任せするのではなく、しっかり調べて考えて、気になるところは確認せねばなりませんね。内容が専門的だし医療者の常識と患者の常識が違うのでなかなか分かり合えないかもしれませんが、予備知識がないと質問もできないので、少なくともどのような治療の流れになるのか全体像は把握しておくべきだと思いました。細かくリスクを説明されるのかと思っていたら、意外と医療側からの説明は少なく、細かい所は紙を読んでねという感じでした。こちらの英語力も影響したかもしれませんが、、医療側も患者に寄り添った情報を提供すべきだと思いました。
精液検査の話から飛躍して思う所をまとめてみました。以上です。
あ、費用は日本だと5000円ぐらいしましたが、今回は保険でカバーされたようで支払い不要でした。全体の費用は↓にまとめたので参考にしてください。
アメリカの不妊治療(体外受精)でかかった費用 2020年
州や保険によって事情は違うと思いますが、かかった費用をまとめたので、参考にしていただければ幸いです。
ニューヨーク州では2020年から、一部の保険で、体外受精が保険適用になっています。
注:NY州のサイトによると101人以上の規模の会社での保険プランで適用になるようです。
私たちが入っている保険は職場で指定されていたBlue Cross Blue Shieldという所のものです。生涯で3回までという決まりはありますが、とてもありがたいことです。
金額は保険会社からの明細書を見て計算しました。
体外受精(保険適用)(1回):1100ドル!!
細かいとこまで示すと1102.16ドルでした。
体外受精834ドル(採卵234、胚移植30、エコーや採血・受診時のcopay 570)
薬代268.16ドル
1回目の胚移植で妊娠することができましたので1回分です。
ちなみに保険が効かないとすると体外受精は10909ドル、やはり100万以上です。
エコーの時と、Drの診察を受ける時に毎回copayの30ドルを払っていました。
Copayは、病院受診のたびに、内容にかかわらずかかる費用です
採卵に向けて、卵の育ちがまだかなーとなると、またエコーに来て!となるので、積み重なるとじわじわと効いてきます。
570÷30=17で少なくとも17回は通ったことが分かります。
さらに採血にも行っていますが、この時はcopayはかからず、検査代もカバーされて支払いはありませんでした。
着床前診断(希望者のみ):2710ドル
保険ではカバーされません。
もちろん受けるかどうかは自己判断になります。Drも特に勧めてきたわけではありませんが、日本では現時点では受けられないけれども、こちらでは選択できるので、受けることとしました。検査会社はigenomixという所でした。
検査する受精卵の数によって値段は変わります。
まず前払いで1500ドル払いました。採卵後、胚盤胞まで育ったのが5個で、追加で1210ドルの支払いとなりました。
病院へ払う費用と、検査会社に払う費用に分かれています。
こちらの病院では胚盤胞の組織をとる検査に5個までは1000ドル、6個以上は1500ドルとのことでした。
検査する数によって検査会社への費用が掛かってきます、1個だと300ドルで数が多くなるにつれて1個当たりの額が下がってきて、4個だと900ドル、それ以上は1個につき185ドルでした。
5個だったので、生検1000ドル、遺伝子検査1085ドル、凍結代650ドル、送料375=3110ドル??
計算が合いません・・・
凍結代がここで取られるのがおかしい気がしますが、それ抜きなら2460ドル・・・
とにかく払った額は2710ドルでした。
子宮ポリープ切除術(保険適用):480ドル
正確には480.29ドルでした。
保険でカバーされました。
検査でポリープも見つかりました。着床障害となるので手術を勧められ、採卵と、胚移植の間に手術を行いました。もちろんアメリカですので、日帰り手術です。
ちなみに保険が効かないと5127ドル。自己負担の年間限度額が200ドルで、そこを超えると大体1割負担のようです(copay除く)。
合計
約4300ドル。正確には4292.45ドル。
着床前診断にはかなりお金がかかりました。必須ではないので、初回にやる必要はないかもしれません。体外受精を繰り返してもうまくいかない時に検討するということでもいいかもしれません。体外受精に保険が効いたので、着床前診断を受ける余裕ができたとも言えます。
子宮ポリープは、なければないに越したことはありませんが、見つかった以上手術を受けるしか選択肢はありません。
体外受精だけならば、保険が効くとだいぶ気持ちも楽に治療を受けられると思います。
繰り返しになりますが、州と保険によって状況が変わると思いますので、今後治療を検討の方はご確認ください。うまくいくことを願っています。