妊活マン ー令和の子作りー

男目線で不妊治療からの妊娠・出産を綴ります

アメリカで妊活。女性用サプリと注意点。これは男性も知っておくべき!

妊活には必須のサプリメントがあります。私たちがアメリカで購入したものを紹介しつつ、注意点について綴っておきたいと思います。* 2020/10/5 新たに④のサプリとDHAを追記

葉酸不足に注意

妊娠1か月前から400μgのFolic acidを

妊活をする女性なら、葉酸は必須ということをご存じでしょうが、男性はどれだけ知っているでしょうか。女性が葉酸不足だと、子供に神経管閉鎖障害が起こり、二分脊椎という病気になる可能性があります。この病気になると、重症度によっては出生直後から手術が必要となったり、下半身の麻痺、排尿・排便障害と付き合って行かなくてはなりません。

また他に自閉症の可能性を下げる効果もあるようです。

厚生労働省からは、妊娠1か月前から妊娠3か月までは栄養補助食品=サプリメントから1日400μgの葉酸(folic acid)を摂取するよう言われています。3か月以降も妊娠中は240μgをサプリで補うように言われています。

参考:葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

いつ妊娠できるかはわかりませんから、妊活を意識したらサプリを取り始めたほうがいいですね。

妻が飲んでいた4つの商品を紹介します。

アメリカではprenatal multivitaminやPrenatal Gummiesとして妊活サプリが売られています。

私たちはCostcoで買ったり、CVSで買ったりしました。

容量が違うのもありますが、いずれもCVSのサイトで売っていました。

①NATURE’s BOUNTY

しばらく気に入っていたのはCostcoで買ったこちら。グミタイプで食べやすく、味もおいしい。

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①NATURE's BOUNTY
CVS Health

CVSで買ったグミはいろいろ味があって、これもおいしくいただけました。

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CVS Health
③NatureMade

こちらはグミではなく、大きめで表面がつるっとした粒?で、飲みにくそうだったので私は試してませんが、妻は気にしてなかったようです。味はなかったけどDHAも入ってるからいいねと妻は言ってます。アメリカだと魚を食べる機会が少ないですからね。

この商品はDHAを強調してました。他のものにもDHAは含まれてましたが50mgと少なめです。。

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Nature Made
CVS Health (DHA 250mg) 最終的にこれを摂取

妊娠後期からはこちらを摂取。DHAが③より多いのが気に入ったようです。グミではないのですが、美味しさよりもDHA重視となりました。

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CVS Health (DHA250mg)

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④のソフトジェルはこんな感じです

単位が違う⁉

気になるのが用量。葉酸は、400μgと思っていたら600とか800とか表記があって、アメリカの用量にびっくりしました。FolateとFolic acidと書いてあったりで、まずはその違いを知らなければなりませんでした。

食品からとれるのがFolate

サプリからとれるのが Folic acidです。

基準はFolic acidの400μgを覚えておけばよいでしょう。上限は1000μgです。

 

 NIHというアメリカ国立衛生研究所による葉酸の情報  によると、

食事からとれる葉酸に相当する量としてdietary folate equivalents (DFEs)と表記され、

Folateの量:1 mcg DFE = 0.6 mcg folic acid:Folic acidの量です。

「mcg」も紛らわしいのですがμgのことですね。

Folic acidの記載の方を気にしていればよいでしょう。 

 

それぞれの成分表を比較しています。

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左から①NATURE's BOUNTY ②CVSNATURE MADEです
  • ①は指定通りの分量を取れば良さそうですが、
  • ②③④はFolic acidで800μgあります。

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CVS Health (DHA250mg)追加の品です

上限は1000μgなので大丈夫ですが、ちょっと多いような。。。体も小さい方なので、②は1日おきに飲んだり、③は2つのグミを食べるところ1つだけにしたり調整していました。しかし!!葉酸水溶性ビタミンで、過剰な分は尿から排出されるので取りすぎを心配することはなさそうです

 

ちなみにアメリカではパンとかパスタに葉酸が添加されているといいますので、そこまで気にすることはないかなと思っていました。パスタを見てみましたが記載されているものとされていないのがあり、こちらで買った米では確認できなかったので、商品によるようです。

取りすぎに注意するビタミンA

上限があります。

必要な量は?サプリ+牛乳に注意

反対に注意したいのがビタミンA。これはむしろ取りすぎに注意です。サプリで十分入っているのですが、牛乳にもビタミンA(とDも)が添加されているものが多く売られています。毎日サプリと牛乳を飲んでると上限近く取っているかもしれません。近くのスーパーの牛乳を見ると多いVitA 220mcg(25%)/1 cup: 250ml、単位がややこしくて分かりにくいのですが、1日に必要な25%はとれてしまうようです。アメリカと日本の基準が違うのが困りもので、また、単位もサプリや食品によって違いますので注意が必要です。

いくつかのサイトで、「日本の厚生労働省によると、妊娠中に必要なビタミンA(レチノール)の量は1日2000 IU(600μg)で、上限は1日 5000 IU(1500μg)という表記を見ますが、いつの情報か分かりませんでした。この情報だと上限がかなり少なく油断したらすぐ超えそうに思いましたが、新しい情報を見つけました↓

 

日本人の食事摂取基準2020年度版の報告によると、

1日に摂取するビタミンAの推奨量は、成人女性で650〜700 µgRAE/ 日です。

妊婦での推奨量の付加量は初期・中期ではゼロで、後期に +80 µgRAE/日とされているので後期は30~780µgRAE/日が推奨量になりますね。

耐容上限量は、妊婦で2700μgRAEとされています。
(授乳婦では推奨量の付加量が450µgRAE/日とされているので1100~1150µgRAE/ 日)

 

単位が変わっているので、いくつかのサイトで見た情報は以前のもののようです。

 

また、NIHというアメリカ国立衛生研究所によるVitamin Aの情報では、

必要量:770μgRAE(参考サイトのtable1より)、

上限量:3000μg (参考サイトのtable5)とありました。

 

RAEという単位が出てきて、ややこしいのですが、

RAE=retinol activity equivalents:レチノー ル活性当量

μgRAE は1 μgの retinolに相当するようです。

 

以前はIUが使われていたようですが、最近はμg RAEと表記するようです。ちなみにIUへの単位変換は1 IU retinol = 0.3 μg RAEとなります。

ちなみに上限を示した表table5には“RAE”が付いてなかったのですが、本文を読むとRAEμgと同じと考えてよさそうです。

成分表記と単位に注意

Retinolとretinyl acetate/palmitate 単位を変換してみた

ところで、手元にあるのはRetinyl palmitateで1300μgと、日本の推奨量を余裕で超えているように見えます。成分が違うので、ココで調べてみたところ、

1 IU =0.300 μg retinol 

  =0.344 μg retinyl acetate

  =0.549 μg retinyl palmitate

 (本文ではretinolはall-trans retinolと表記されますが同じ意味だと思います)

 

単位が紛らわしいので上記①②のサプリはビタミンAを変換しておきます。

日本の推奨量(650-700μg/day、妊娠後期に+80)、上限は2700μgです。

 

①1300μg(Retinyl palmitate)=709μgRAE

②4000IU(Retinyl acetate)=1200μgRAE

③770mcg(Beta Caroten) βカロテンは必要な分だけ代謝されるので大丈夫です。

④1200mcgRAE(Beta Caroten) 同じく安心のβカロテン

 

mcgも紛らわしいのですがμgですね。

ビタミンの単位を変換できるサイトもありました。

魚が不足するアメリカン食生活、まだ間に合うDHA

アメリカで暮らしていると日本と比べ魚の摂取量がどうしても減ってしまうと思います。妻も子供の頭をよくするのにDHAとらなきゃと言っていたので、少し調べてみました。

良く目にするのがオメガ3脂肪酸DHAEPAですが、これらの違いがまず分かりませんでした。オメガ脂肪酸というのはDHA+EPA+ALAの3つを含んだ言い方のようです。この中で赤ちゃんに必要な栄養素としてはよくDHAが取り上げられます。世界的なDHA摂取の目安は1日200mg以上とのこと。魚を食べていたら一瞬でとれるようですが。そこでサプリを見てみると

①43mg

②50mg

③200mg

④250mg

特に脳の発達が著しい妊娠後期から、DHAは必要とのことで、最終的に④のCVSで買ったサプリを飲むようになりました。グミではなくソフトジェルですが、美味しさよりDHA優先となりました。

ちなみにDHAの効果については葉酸のようにはっきりと示されてはいないようですが、摂っておいて悪いことはなさそうです。

妊婦健診で助産師に、「日本ではたくさん魚を食べるけどアメリカではあまり食べないからDHAが心配」と相談したら、魚を食べることに関してはむしろ水銀の悪影響を心配しておりました。外来中でもすぐgoogle検索(!!)をして、ここに情報があるわよと教えてくれます。

こちらの記事が参考になりました。この方、本も出しているようです。

DHAを摂ると赤ちゃんの頭が良くなる? | ハフポスト

赤ちゃんの大事な栄養素、DHA どれくらいとればいい? | ハフポスト

最後に

日本のサプリであればそれほど気にせず飲んでいそうですけど、アメリカの商品だと用量が違って、気になって調べると意外と複雑でなかなか答えが見つからず不安になります。ここで調べたことが誰かの役に立てば幸いです。

 

とりあえずそこの旦那さん、女性用サプリのFolate(Folic acid)とVitamin A(retinyl palmitate とか retinyl acetate)に複数の名称や単位があっても慌てることはありません。もう一度これを読み返して、奥さんに説明してあげましょう。

 

*文献によってIUやIU retinol、μgRAEやμg retinolと表記が一致せず、参考文献のそのまま記載しているので本文内でも一致していませんが、それぞれ同等の意味だと解釈しています。